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【スペインの作曲家】マヌエル・デ・ファジャ邸博物館へ行く。

この記事では、20世紀のスペインを代表する作曲家マヌエル・デ・ファジャについて、そしてマヌエルの実際の住まいを博物館としたマヌエル・デ・ファジャ邸博物館 Casa Museo Manuel de Falla カサ・ムセオ・マヌエル・デ・ファジャ についてご紹介します。

マヌエル・デ・ファジャ邸博物館

マヌエル・デ・ファジャとは

Manuel de Falla マヌエル・デ・ファジャ  (1876-1946) は、スペインを代表する偉大な作曲家兼音楽家の一人です。1876年、当時商業が発展していたスペインのカディスに生まれ、裕福な家庭で育ちました。ピアノ奏者の母から音楽の英才教育を受けて育ったマヌエルは、後にマドリッドの音楽院で学び、その後はパリで作曲活動をしていました。

マヌエルの音楽は、フラメンコなどアンダルシアの民族主義的な音楽とパリで影響を受けた印象主義的音楽を融合した作品が有名です。

【主な代表作】

バレエ組曲「恋は魔術師」火祭りの踊り、「三角帽子」粉屋の踊り

歌劇「はかなき人生

サルスエラ「イネスの恋

交響的印象「スペインの庭園の夜

などなど、曲名を見てもピンと来ない方でも、聴いてみると知っている曲があると思います。

パリで音楽活動をしていたマヌエルの長年の夢はグラナダに住むことでした。その夢が叶ったのは1919年、マヌエルが43歳の時でした。マヌエルはギターリスト兼歌手のアントニオ・バリオス、その息子で音楽家のアンヘル・バリオス、詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカなど、グラナダの著名な音楽家、芸術家、そして知識人たちと交流し、かけがえのない友人関係を築きました。マヌエルがロルカに出会った当時、マヌエルは40代、ロルカはまだ20代でしたが、二人はとても感性が合い、深い友情の絆があったそうです。1936年にスペイン内戦が勃発し、銃殺された親友ロルカの死の影響や思想の違いなどからスペインを離れる決心をしてマヌエルはアルゼンチンへ亡命。スペインへ帰国することなく1946年に生涯の幕を閉じました。

 

博物館について

マヌエル・デ・ファジャ邸博物館

Casa Museo Manuel de Falla

カサ・ムセオ・マヌエル・デ・ファジャ

マヌエル・デ・ファジャ博物館は、マヌエルが1921年~1939年まで住んでいたグラナダのカルメン (庭園や果樹園付きのグラナダ風邸宅) を再現した博物館です。館内の各部屋にはマヌエルが実際に使っていた家具や絵画などの所有物が、亡命した日と同じ場所に配置され、マヌエルの生活習慣や人柄が垣間見れます。

マヌエルがアルゼンチンへ亡命している間、グラナダの仲間たちは彼の所有物を大切に保管し、帰国後に元の配置に戻せるように各部屋のスケッチまで描いていました。いかにマヌエルが仲間から慕われていたかが分かりますネ。また仲間たちのおかげで、今日の博物館があるわけです。

 

館内に入るとまずキッチン。食器棚の中もとても良い保存状態で、当時の典型的なグラナダの食器などを鑑賞することができます。。マヌエルがよく仲間と集って語り合っていたというリビングの入り口付近にはピアノが。実際に作曲活動をしていたピアノに触れることができますヨ。

リビングルーム

絵を描くことも好きだったというマヌエルは部屋や廊下にたくさんの絵画を飾っていました。絵画の中には異国の絵画も多く、他国の芸術にも興味を示すオープンマインドな性格であったことが感じ取れます。中には北斎などの日本の絵画も飾られていますヨ。

敬虔なカトリックでありながらもオープンマインドだったマヌエルは、排他色が強かった時代のスペインで生きるには、葛藤や苦悩が多かったはず…

マヌエルはとても心が繊細で身体が弱く、常に病と闘っていたそうです。寝室には今も大量の薬箱が残されています。

マヌエル・デ・ファジャの胸像がある庭

庭にはマヌエルの胸像があり、ここから見えるグラナダの景色も絶景です。

 

【博物館の場所マップ】

マヌエル・デ・ファジャ邸博物館

Casa Museo Manuel de Falla

カサ・ムセオ・マヌエル・デ・ファジャ

Paseo de los Mártires

博物館は「マヌエル・デ・ファジャ講堂」Auditorio Manuel de Falla アウディトリオ・マ​​ヌエル・ デ・ファジャ の敷地内にあります。入り口の門から入って案内プレートまで歩いたら矢印の方へ階段を下りると到着します。

また、講堂の敷地内にはマヌエルの資料などを展示している音楽文書センター Archivo Manuel de Falla アルチーボ・マヌエル・デ・ファジャ もあります。

【Auditorio Manuel de Falla 公式サイト

http://www.manueldefalla.org/

 

【バスでアクセス】

最寄りのバス停留所

Auditorio Manuel de Falla - Carmen de los Mártires

アウディトリオ・マヌエル・デ・ファジャ ー カルメン・デ・ロス・マルティレス

 

バスルート番号

  • C30【ALHAMBRA-CENTRO】

  • C32【ALHAMBRA-ALBAICÍN】

  • C35【CEMENTERIO-BARRANCO DEL ABOGADO-CENTRO】

街の中心部から乗車するなら、イサベル女王とコロンブスの記念碑がある噴水広場 Plaza Isabel la Católica プラサ・イサベル・ラ・カトリカ のすぐ側にある停留所 Plaza Isabel la Católica4 がおススメ。停留所の場所は【博物館の場所マップ】でご確認ください。

※徒歩で行く場合は「レアレホ坂」Cuesta del Realejo クエスタ・デル・レアレホ  or「ゴメレス坂」Cuesta de Gomérez クエスタ・デ・ゴメレス からアクセスできます。

 

【開館時間】

 10月~5月 

火曜日~土曜日 10:00 - 17:00日曜日 10:00 - 15:00定休日:月曜、祝日

6月と9月火曜日~日曜日 9:00 -14.30 定休日:月曜、祝日

7月と8月火曜日~土曜日 9:00 -14.30定休日:月曜日、日曜日、祝日

 

【入館料】

一般 : 3 € 

学生、団体など割引対象者 : 1€

※水曜日は11:00まで無料

博物館の見学はガイド付きで、所要時間は約25分です。

博物館の最終入館は、閉館時間の30分前。

おまけ雑談

Manuel de Falla マヌエル・デ・ファジャ、またはマヌエル・デ・ファリャとも言います。地域によって発音が違い、グラナダは「ジャ」で発音します。また、マニュエル・デ・ファジャの本名は、マニュエル・ファジャ。真ん中に「」を加えたのは、マニュエル本人で、マニュエル・デ・ファジャとして世界的に有名になりました。

さっきまでマヌエルがいたかのような空間が味わえる博物館。興味がある方は是非訪れてみてください。今なら日本の絵画を飾っていたマヌエルに感化され、日本にいつかは行ってみたいという親切なガイドさんが、スペイン語or英語で案内してくれますヨ。それでは¡Buen día!