アルハンブラ宮殿は、チケット必須エリアと無料で見学できるエリアがあります。この記事では無料エリアの見どころスポットをご紹介します。
アルハンブラ宮殿の無料エリアでは、アルヒベ広場で景色を眺めたり、ぶどう酒の門をくぐってカルロス5世宮殿や教会を見学できます。レアル・デ・ラ・アルハンブラ通りを歩いて、土産屋に立ち寄ってみたり、国営ホテルのパラドールでカフェをするのも楽しいですヨ。
見どころスポット
裁きの門
Puerta de la Justicia
プエルタ・デ・ラ・フスティシア
詳しくはこちらで↓
アルヒベス広場
Plaza de los Aljibes
プラサ・デ・ロス・アルヒベス
15世紀のレコンキスタ後にキリスト教徒たちによって地下に貯水槽がつくられた場所。城塞アルカサバの前にある広場です。軽食、飲み物などが売られている小さな売店があり、休憩スポットでもあります。広場から眺める景色も絶景です。
ぶどう酒の門
Puerta del vino
プエルタ・デル・ヴィノ
ぶどう酒の門は、アルハンブラ宮殿の中でも最も古い建物の一つで、市街地へアクセスする門でした。14世紀初頭ナスル王朝のスルタンMuhammad III ムハンマド3世 (在位:1302-1309) の命によって建設されましたが、装飾は別の時代のもので、西側ファサードの尖頭形馬蹄形アーチや入り口を象徴する鍵は13世紀末~14世紀初頭、東側ファサードのクエル・ダ・セカ技法で焼かれた陶板は14世紀中頃のムハンマド5世の装飾であると言われています。
門の内部には門番が腰掛けるスペースがあり、上階は住居がありました。裁きの門のような防塞機能のある門ではないため一般市民がアクセスしていたことが分かります。16世紀にはキリスト教徒たちが最初にワインを売り始めた免税市場の場所だったそうですヨ。
カルロス5世宮殿
Palacio de Carlos V
パラシオ・デ・カルロス・キント
カトリック両王の孫である神聖ローマ皇帝 Carlos V カルロス5世 (スペイン国王カルロス1世) の命によって造営されたルネッサンス様式の宮殿。カルロス5世が新婚旅行でグラナダに訪れた際にアルハンブラ宮殿に魅了され、宮殿の造営を計画しました。設計は「グラナダスの門」や「カルロス5世の柱」も担当した建築家Pedro Machuca ペドロ・マチュカ 。古代ギリシャ・ローマ時代の建造物をお手本にしたと言われるカルロス5世宮殿は、四角い建物に円形の中庭があり、外装はとても豪華。
16世紀に建設が開始されましたが、財政難により20世紀には未完成のまま建設工事が終了となりました。現在はフラメンコやグラナダ音楽祭の会場としても利用されています。真夏の夜に風に吹かれながら観る宮殿のステージは情緒たっぷりです。
カルロス5世宮殿内にはアル・アンダルス時代の貴重なコレクションが鑑賞できる博物館とグラナダの芸術作品を堪能できる美術館があります。
興味のある方は是非こちらで↓
ナスル朝の家
Casas nazaríes
カサス・ナサリエス
カルロス5世宮殿の前には、ナスル朝時代の家の遺跡があります。ナスル朝時代の建築システムは家の中庭に用水池があり、周囲に部屋があることで、全ての部屋に冷風が送り込まれ、暑い夏を快適に過ごせる工夫がなされていました。
サンタ・マリア教会
Iglesia de Santa María
イグレシア・デ・サンタ・マリア
正式名称は Iglesia de Santa María de la Encarnación de la Alhambra イグレシア・デ・サンタ・マリア・デ・ラ・エンカルナシオン・デ・ラ・アルハンブラ。教会はレコンキスタ後に、ナスル朝時代のメスキータ(=モスク)の上に建てられました。15世紀に改築、その後、老朽化のため16世紀に取り壊され、現在のサンタ・マリア教会は17世紀に完成しています。
14世紀初頭ナスル朝時代から建てられていたメスキータは、アル・アンダルス時代の前にこの地を支配していた西ゴート王国時代の教会の上に建てられたそうで、この場所は教会→メスキータ→教会と、まさに歴史が塗り替えられてきた聖なるスポット。教会の右隣りには、イスラム教徒たちがメスキータでお祈りをする前に身体を清めていたアラブ式浴場、左隣りにはカルロス5世宮殿があります。
聖週間 Semana Santa セマナ・サンタ の土曜日は、サンタ・マリア教会から宗教行列 Procesión プロセシオン が始まり、パソと呼ばれる聖母像を乗せた山車が街を行進します。
【訪問時間】
火~土 : 10:00 ~ 13:00
日 : 16:00 ~ 18:00
月 : 定休日
メスキータ浴場
Baño de la Mezquita
バニョ・デ・ラ・メスキータ
メスキータの付属施設だったアラブ式の公衆浴場。浴場は衛生上の他、祈りの前のお清めとして利用され、またイスラム教徒たちの社交の場としても活躍していました。肌の露出が殆どないムスリマたちの社会では、素顔が見える浴場で母親が息子の結婚相手を探す場でもあったそうですヨ。
hammām ハンマム と呼ばれるアラブ式の浴場は蒸気風呂。用途によって部屋が分かれ、冷水浴室から徐々に高温浴室になっていきます。休憩スペースなどもあり、丸天井には照明と換気の役割を果たす星形の天窓が。お風呂でリラックスしながら、星形の天窓から見える夜空の星を眺めてみたいですネ。
浴場は14世紀から幾度か改築された後、20世紀に再建されています。
※メスキータ浴場は見学できる日や時間がランダム。アルハンブラの職員さんでさえ日程が分からないので、見学出来たらツイてます。
メスキータ浴場に隣接して Ángel Barrios アンヘル・ バリオス の小さな博物館があります。アンヘル・バリオスは、20世紀にスペイン音楽を世界に広めた偉大な音楽家の一人で、父親はカリスマギターリスト兼歌手の Antonio Barrios アントニオ・バリオス 。一家は浴場の隣に住まいがあり、浴場の場所で居酒屋を経営していました。店はアーティストたちの溜まり場でもあったそうです。メスキータ浴場は父アントニオのニックネームであったポリナリオから Baño del Polinario バニョ・デル・ポリナリオ とも呼ばれています。博物館にはアンヘルのオリジナルのピアノやギター、画家としても才能のあったアントニオの絵画などが展示されています。
国営ホテル パラドール
Parador de Granada
パラドール・デ・グラナダ
国営ホテル パラドール・デ・グラナダは、レコンキスタ後にイサベル女王の命によって建てられたサン・フランシスコ修道院でした。修道院はナスル朝時代の宮殿の上に建てられました。
スペイン独立戦争でアルハンブラ宮殿がフランスのナポレオン軍に占領された時、修道院はポーランド軍の本拠地となり、またスペイン内戦時には病院として利用されたりと長い歴史を辿った建物が、国営ホテルのパラドールとなったのは1945年のことです。
16世紀初頭イサベル女王没後には、遺言通り女王はこの修道院に埋葬されました。現在は王室礼拝堂に移されていますが、中庭にある墓標を見学することができます。パラドールのカフェで一休みして中庭を散歩してみるのも良いですネ。
【パラドール・デ・グラナダ】https://paradores.es/es/parador-de-granada
交通アクセス
無料エリアへは、アルハンブラ宮殿の入り口「裁きの門」or「車両の門」から入ることができます。アルハンブラ宮殿の見学チケットがある場合はもちろんメインエントランスの「アクセスパビリオン」からもアクセスできます。
アルハンブラ宮殿までの詳しい交通アクセスはこちらで↓
【参考サイト】
https://arqueoalandalus.com/2019/08/13/granada-bano-del-polinario-o-de-la-mezquita-de-la-alhambra/
https://www.turgranada.es/es/pois/museo-%C3%A1ngel-barrios
https://1000granada.blogspot.com/2021/02/banos-del-polinario-o-de-la-mezquita.html