この記事では、グラナダのカルメン(庭園や果樹園付きのグラナダ風邸宅)の中でも19世紀の庭園が最も美しく維持されていると言われるカルメン Carmen de los Mártires カルメン・デ・ロス・マルティレス をご紹介します。
殉教者たちのカルメン
Carmen de los Mártires
カルメン・デ・ロス・マルティレス
庭園について
Carmen de los Mártires カルメン・デ・ロス・マルティレス は、19世紀の庭園が最も美しく維持されているカルメン(庭園や果樹園付きのグラナダ風邸宅)です。この場所は、ナスル王朝最後のスルタン Boabdil ボアブディル (ナスル王朝 ムハンマド12世)が、グラナダをキリスト教徒たちに引き渡すために出発した地点と言われています。
ナスル朝時代、この辺りにはサイロや地下牢があった場所でもあり、物資の貯蔵庫だったサイロはレコンキスタが進むにつれ、キリスト教徒の捕虜を監禁する牢として使用されたそうです。
15世紀のレコンキスタ完了後、イサベル女王はこの地を殉教者たちの場所として名づけ、グラナダ初の小さな教会を建てました。それが現在のカルメンの名称「殉教者たちのカルメン」Carmen de los Mártires カルメン・デ・ロス・マルティレス にも繋がっています。 その後、16世紀にフェリペ2世の命で跣足カルメル会が修道院を設立、教会は修道院の一部となりました。19世紀には競売にかけられ新しい所有者となり、修道院は取り壊されて邸宅や様々な庭園が造られました。その後も歴代の所有者たちによって少しずつ変化を遂げ、最終的に市が所有しています。
カルメン・デ・ロス・マルティレスは1943年に重要文化財に指定されました。豪華な邸宅は結婚式や文化行事が開催される場合のみ公開されています。記念撮影をする場所としても人気のスポット。所要時間は1時間~2時間程度です。
【見どころスポット】
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フランス庭園 バロック式の庭園。円形の池の周りを彫像が囲んでいます。
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英国式庭園 邸宅の裏手にある、まるでヤシの木の森のような庭園。中央には、フェリペ2世に捧げられた3階建ての噴水があります。
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ナスル朝の中庭 邸宅の左隣にあり、ナスル朝時代の典型的な中庭を再現しています。
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ロマンチック庭園の湖 様々な種類の鳥が生息する灌漑用の湖。ナスル朝時代の用水池をリフォームしたのではと言われています。
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水道橋 ダロ川の水がアルハンブラ宮殿を通ってから流れてきます。
修道院の長であった「十字架の聖ヨハネ」San Juan de la Cruz サン・フアン・ デ・ ラ・クルス の提案によって植えられた杉の木は、詩人でもあった聖ヨハネの作品に登場しているそうです。敷地内には十字架の聖ヨハネの他フェデリコ・ガルシア・ロルカなどの著名な詩人たちの作品が散りばめられ、詩を読みながら散策を楽しめるようになっています。
また散策中に時折見える美しいグラナダの景色も最高です。
様々な種類の鳥たち、孔雀、猫などに遭遇する嬉しい驚きも。
【場所マップ】
Paseo de los Mártires
【開園時間と入場料】
入園料 : 無料
夏時間 : 4月1日~10月14日
月曜日~金曜日 10:00 - 14:00、18:00 - 20:00
土曜日、日曜日、祝日 10:00 - 20:00
冬時間 : 10月15日~ 3月31日
月曜日~金曜日 10:00 - 14:00、16:00 - 18:00
土曜日、日曜日、祝日 10:00 - 18:00
【バスでアクセス】
最寄りのバス停留所
Auditorio Manuel de Falla - Carmen de los Mártires
アウディトリオ・マヌエル・デ・ファジャ ー カルメン・デ・ロス・マルティレス
バスルート番号
C30【ALHAMBRA-CENTRO】
C32【ALHAMBRA-ALBAICÍN】
C35【CEMENTERIO-BARRANCO DEL ABOGADO-CENTRO】
街の中心部から乗車するなら、イサベル女王とコロンブスの記念碑がある噴水広場 Plaza Isabel la Católica プラサ・イサベル・ラ・カトリカ のすぐ側にある停留所 Plaza Isabel la Católica4 がおススメ。
以上で散策終了です。お疲れさまでした。¡Hasta la próxima!